RE800 silverのPENTACONN EARデタッチャブル化

E4UAさんにHIFIMAN RE800 silverの筐体にPENTACONN EARジャックを取り付けていただき、リケーブル可能に改造してもらいました。いわゆる「デタッチャブル化」というやつです。


きっかけ

HIFIMAN RE800 silverを買って1ヶ月もしないうちに「イヤホンケースのファスナーでケーブルを挟んでしまう大失態」をしてしまいました。「イヤホンケースからきのこが生えてるのかと思って」びっくりして目をひん剥いて2度見しましたよ(笑)。ケーブルは90度ポッキリ折れた状態で「あぁ、やっちゃった…」と。幸いにも音はちゃんと出ているので断線はしていないようでしたが、いつ断線してもおかしくありません。直付されているケーブルは細くて柔らかく扱いやすいのですが、ちょっと貧弱すぎます。

あと、RE800 silverの音が結構気に入っていてバランスで聴いてみたかったのですが、ケーブル分岐部分でGNDはまとめられているようで、プラグ交換では4極化できずにあきらめていました。

断線の不安とバランス化から「デタッチャブル化」の改造を思い立った訳です。

通常、ケーブルが直付されているイヤホンは、ケーブル途中にMMCXメスコネクタをつけて中継する形でリケーブル対応するのが一般的ですが、私には元のケーブルが少し残っているのが中途半端な感じがして嫌で、RE800Jのように筐体に直接ジャックを埋め込む形にしたかったのです。そこで、高い工作精度と仕上がりの良さからE4UAさんしかいないと思い、改造をお願いすることにしました。


MMCXか否か

当初は、市販のケーブルでのリケーブルを想定して「MMCXでのデタッチャブル化」を考えていましたが、MMCXは「コネクタが固すぎ・緩すぎで着脱に難あり」「空回りして接触不良が多い」など信頼性に不安がありましたし、E4UAさんにも同様のご指摘をいただきましたので、「A2DCかPENTACONN EARのどちらかで」と仕様を変更しました。どちらでも良かったのですが、A2DCはコネクタのサイズが大きいのでMMCX同等のコネクタの小ささの「PENTACONN EAR」に決めました。

私のDAPはHIFIMANで3.5mm4極プラグ。さらに、PENTACONN EAR端子となると市販ケーブルでは選択肢が皆無でプラグと端子の交換は確実なので、バランスケーブルも一緒に作ってもらうことにしました。外出時に上着の内ポケットにDAPを入れて使いやすく、束ねてもかさばらないようにケーブル長は80cmと短めにしました。


デタッチャブル化改造は無事成功

まず、PENTACONN EARジャックの後付け感がなく仕上がりが素晴らしいです。何度かケーブル交換しましたが強度的にも全く問題なさそうです。さすがE4UAさん! 頼んでほんと良かったです。

PENTACONN EARの着脱感は「壁面のテレビアンテナ端子に同軸ケーブルを挿す感じ」に近いですね。端子の密着度が高いので空回りは皆無ですがギチギチではなく着脱は容易な方だと思います。PENTACONN EARにして正解でした。

初めにPENTACONN EARに換装した純正ケーブルで聴いて見ましたが、改造前と同じ印象です。改造による音質変化は特にないと思います。直付されていた純正ケーブルでも音は悪くありません。と言うか普通に良いですね。それを改めて感じました。

しかし、今回作ったバランスケーブルで聴くと「もう純正ケーブルには戻れません」。

元々締まった音でキレの良いRE800 silverですが、バランス化で駆動力が増し全体的に腰が座って力強さとキレの良さがさらに加わります。見通しもさらに良く、音の輪郭がはっきりして、背景が暗く引き締まり立体感が増します。純正ケーブルよりも楽曲に2歩くらい踏み込んだような印象です。ただ距離が近づいたというよりも、音に囲まれているような感覚で「楽曲にどっぷり浸かれる」という感じです。

バランスケーブルの線材は、EU4Aさんにおすすめいただいた線材からBelden1804Aを選びました。特に癖がなくて全ての音域の音質がグッと底上げされます。純正ケーブルだと低音が少し多いと感じていましたが、低音が減ってフラットなバランスになりました。もともとBelden1804Aはマイクケーブルだそうです。いいケーブルですね。アルミ筐体のRE800 silverの中音域の軽快さやスピード感も失われず、純正ケーブルでなんとなく不満に感じていた「シンバル・ハイハットのかすれやパサつき」も改善され非常に満足です。RE800 silverと相性が良いと思います。選んで大正解でした。


RE800 silverの持ち味のキレの良さ・見通しの良さ・締まった音はそのままに、バランス化とリケーブルによってイヤホンのグレードがかなり上がったように変化しました。この音質向上にちょっと驚くくらいです。RE800 silverは直付ケーブルも全然悪い音ではないのですが、そのケーブルがボトルネックだったと思うくらいポテンシャルが高いイヤホンなんだな」ということが非常によくわかりました。

じゃあRE800Jを買いましょうと言われるとアレですけど…

でも、この「デタッチャブル&バランス化RE800 silver」とRE800Jとでは、おそらく音は使い分けできるくらい違うと思います。聴き比べをしてみたいですね。


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最後に大事なことを。

イヤホンの改造に伴い

メーカー保障は無くなり、有償修理も受けられなくなります

改造の失敗で破損・修理不能になることも十分考えられます

リスクがあり、全ての責任を自分で負わなければなりません。改造を行う・依頼する時はそのことを納得した上でお願いいたします。

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