MotherAudio ME5-BORON

「世界初、秒速1万m超の伝搬速度を持つ“ピュアボロン”振動板」のうたい文句に惹かれて、クラウドファンディングをポチッてしまいました。

ピュアボロン振動板の詳細についてはGREEN FUNDINGのページを観ていただいとほうが早いと思います。「ボロン」は素材特性的にはベリリウム並みの音の伝搬速度で、そのボロンのみで製造されたピュアボロン振動板となると「ピュアベリリウム・イヤホン並みの高音質」を期待したくなりますよね普通は…。GREEN FUNDINGのページの内容もそれを暗示させる感じですし…。


第一印象

付属のイヤピースと3.5mmアンバランスケーブルの工場出荷状態で、箱から出してすぐ聴いた第一印象は「全体的に音が非常にこもって明瞭さに欠け、低音がブーミー」でした。特にバスドラムは輪郭が皆無で締まりがなさすぎて…ちょっとひど…。どんなに素晴らしいイヤホンでもアンバランスの方がバランスよりも明瞭さに欠ける印象なのでバランスケーブルにリケーブルしましたが、音圧やアタック感は増しますが音のこもった感じはそれほど変わらずでした。まだこの頃は「エージングで変わるかも」とわずかな期待を寄せていましたが…。


上流の変化にびくともせず

一番気に入っているDAPのHIFIMAN R2R2000(Red)で聴いてましたが、ME5-BORONの強いこもりはR2R2000(Red)の艶やキレを完全に打ち消してしまいます(笑)。ここまでくると逆にこっち(DAP)が悪かったという気にさせられます(笑)。久しぶりにAstell&Kern SE100に替えましたが、若干改善するものの「ES9038PRO」搭載のSE100の超高解像感を持ってしても十分に音がこもってます…。


エージングが嫌になる

1日15時間で8日、120時間ほどエージングをしましたが一向にこもった感が改善せず、仕事から帰ってきてイヤホンのエージングの進捗状況を確認するのが楽しみではなく苦痛となりました。これ以上やっても劇的な変化はなさそうなのでエージングをやめました。結局、音質の印象は第一印象のままでしたね。

初クラウドファンディングで非常に楽しみにしていたのですが、ピュアボロン振動板の特長「ダイヤモンドの次に硬く、秒速1万m超の非常に速い伝搬速度」から想定されるであろう「ハイスピード、タイト、クリアで高解像な音質」が1mmも感じられないという残念な結果に…。

でも、ピュアボロン振動板のポテンシャルはもっとあるはずだとも思います。試聴中にハイハットやトランペットの高音に一瞬ハッとすることもありましたし。しかし、個人的には中音域をマスクする超ブーミーな低音ではドライバーや筐体の音響特性が生かせない気がしますし、それ以前に、耳抜きしたくなるような全音域のこもり具合は音楽として聴くに耐えないんです。


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音質の解釈は十人十色です。ただ私の好みには合いませんでした。

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